芭蕉布の「唐ヲゥー」とはなんだ?

沖縄に芭蕉布という歌があるよね。この歌詞に「唐ヲゥ紡ぎ」というところがある。この「ヲゥ」とはいったいなんだろうか。「を」の間違いではないのだろうか。特に気にせずに、自分は長らく「トーをー」と歌っていた。これが実はちゃんと意味があったのだ。

いろいろ調べた結果「ヲゥ」とは苧麻(ちょま)という植物の繊維で作った糸のことだったー。これ自体が単語だったのか。苧麻とはどういうものか自分は知らないんだけど宮古上布の材料だったはず。クイチャーの歌詞の中にも出てくる。

それに「唐」がついた「唐ヲゥ」は芭蕉の糸ということだそうだ。芭蕉は中国原産とのことなので「唐」の「ヲゥ」というふうに呼んでいたわけか。「唐ヲゥ紡ぎ」とは「芭蕉からとった繊維の糸を紡いで」という意味だった。

では発音はどうするのか。まず「ヲ」これは「WO」と発音する。英語で「ウォウウォウ、イェイイェイー」みたいな「WO」だと思う。今は「を」も「お」も同じ発音だけど昔はこういう「WO」という発音があったわけだ。50音の「ワ」行をみてみると今では「わ、を」しか残ってないんだけど昔はその間にはいる発音があった。失われた「ワ」行だ。

そしてここ沖縄だと「オ」は「ウ」に変化することが多い。「想い」が「ウムイ」とか「沖縄そば」が「すば」とかね。そして沖縄の「ウ」は「WU」と発音することが多い。英語の歌で「ウ〜〜〜イエ〜〜」みたいな感じの「WU」かな。唇を尖らして言う感じ。白百合クラブとかいうときの「ブ」はやっぱそんな発音だねえ。ということで「WO」が「WU」に変化するわけだ。

その「WU」をカタカナで表記したいのだが、ここで失われた「ワ」行をみてみる「ワ、ヰ、ウ、ヱ、ヲ」だ。あれ「ウ」が「ア」行とダブってるではないか。「WU」という発音を表記するカナがないではないか。知らんかった。ということで沖縄ではかかせない「WU」をカタカナで表記するために「ヲゥ」という表現をしたのだ〜。いやーそういうことでしたか〜

まとめますと「唐ヲゥ」とは芭蕉の糸で発音は「to wu」。
「唐ヲゥ」という短い言葉の中にいろんなことがかかわりあってるもんだ。驚いたよ。

さて、これを実際に歌うとどんな感じだろうか。
これが困ったことに「ヲゥ〜」も「ウ〜」もあまり違ってきこえない。
歌だと声を響かせるように歌えば自然に「WU」みたいな感じになるしね。

この歌は標準語で作られているので沖縄方言は首里天加那志(すいてぃんじゃなし、国王様のこと)ぐらいしか出てこない。
その中で「唐ヲゥ紡ぎ」を「糸を紡ぎ」というふうにしなかったのは作詞の吉川安一さんのこだわりだったのだろうか。

ここで芭蕉布の制作行程を調べてみたら、芭蕉の糸のことを「苧(うー)」と書いてあるではないか。「ヲゥ」に漢字があったんだね。それなら「唐苧 紡ぎ」 とかいて表記して「とーうー」か「とーをぅー」とルビをふるのがいいのかもね。
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