アズールとアスマール 95点

ピクサーのアニメはトイストーリーだとか傑作揃いでキャラもストーリーも演出も文句のつけようがないんだけど、やっぱり作家の個性っていうものがあまりないのが物足りないとも思うんだよね。郊外にできたショッピングモールのように、どこに行っても同じっていうのがときめかない。そう思っていたところ、少し前の作品なんだけど、あまりの素晴らしさにビックリしてしまったアニメーション映画「アズールとアスマール」



フランスの映画なんだよね。でもイスラムの世界が舞台。主人公のアズールは幼いときの乳母とその息子アスマールに会うためにフランスから地中海を渡りイスラム文化の国へやってくる。しかしそでは青い目は不吉な印として忌み嫌われる社会だった。



このアニメ、とにかくもう装飾が素晴らしい!むかし買ったデザインの本でこういうのがあるんだけど、そういう緻密なグラフィックがあらゆる背景にマッピングされていて、クラクラしてくるほどの装飾美なのだ。



人の動きはCGって感じでゲームのようなんだけどデザインというか造形がとても美しいので今までに見たことのないスタイルの映画になっている。とても新鮮。
囚われの姫を救い出す冒険譚の中にキリスト社会とイスラム社会の共存というテーマがある。移民問題に悩むフランスでこういう映画が作られ大ヒットしたというのは素晴らしい。二つの文化の象徴アズールとアスマールをつなぐのは乳母の分け隔てのない愛情だ。



人種も宗教も違う異文化。言葉も通じない相手への恐怖は簡単にテロのイメージと結びつく。しかし異文化の美しさに目を向ければそこには知らない広大な世界が広がっている。僕らは韓国や中国の文化、仏教の及ぶアジアの範囲にも薄っすらと繋がりを感じてはいるけどイスラムはよく分からない世界だ。その美をアニメーションによって集結させ再構築する。緻密な紋様、装飾品、植物の豊かな世界。天文学もあったのか?



その驚きは尊敬の念となり、それを生み出した人々との距離を縮めていく。この映画はイスラム社会との異文化交流でもある。それは平和へと繋がっていくものだ。相手を知らないことが恐れを生み戦争のきっかけを許してしまう。そんなバカバカしいことやめて異文化の美をもっと知ろう。

監督はミシェル•オスロという方。前作の「キリクと魔女」はアフリカが舞台
のこれがアフリカか~?!っていうような独特のお話が面白かった。

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