ライフ・オブ・パイ 70点

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 [Blu-ray]

ある作家にインド人が不思議な体験を話して聞かせる。動物園をカナダに移動させるためインドから出発した船が遭難。奇跡的に一人生き残るも救命ボートにはなんと虎が同乗していた。

不思議なストーリーだ。ボートにはトラの他にもシマウマ、オラウータン、ハイエナが乗る事になるからノアの箱船の表現なのかと思ったが、虎に全部食べられ、サバイバル映画となっていく。ほとんどが青年とトラしかでてこなくなる。リミットや127時間のようなワンシュチュエイション映画ということにもなってくる。どうやって虎を手なずけるのか。はたまた虎を殺すのか。

虎はCGだそうだが本物と区別がつかない。ボートの上で滑ったりするような動きは本物にしか見えない。正面からの顔のショットは神々しい。この技術は凄い。この映画のもう一人の主役になっていた。

そしていろいろな表情をみせる海が凄い。嵐が吹き荒れるシーンは今までで最強というほどの迫力だし、波がなくなり鏡のように空を映すシーンは天国のようだ。映画館で3Dで見るとさらに凄いのだろう。船酔いにならないだろうか。

途中から謎の島が出てくる。ミーキャットが大量にいる島。ここから実際の話ではなくあからさまにファンタジーになってくる。あれ、この展開は何だろうという感じになる。主人公の見る幻影なんだろうか。それとも臨死体験ということか?。しかもこの島はヒンズー教の教えを表しているようだ。

そして最後にもうひとつの真実が語られる。「え、こういうことだったの?じゃあ今までのは何?」ってなる。しかしこの真実は映像で表現されることはなく、どちらがほんとうなのかは見ている人にゆだねられる。

ん~~なんか変わった映画だった。宗教的だ。信仰心っていうのがテーマなんだろうか。このへんは日本人にはわかりにくい。いろんな解釈が隠されているよう奥の深い話だった。見終わってから検索して、パイという名前は円周率で3.14~っていうふうに割り切れない象徴。227日間の漂流っていうのは22/7がその近似値になっている。トラは生き残るための主人公の本能の象徴。いろいろ解釈を見て、なるほど、そういう深い意味があったのかと関心した。

しかし面白かったかというと正直75点という感じだろうか。自分的には好きな題材だし、ヒンズー教などの宗教的なものを、一般向け娯楽映画として作ったのは素晴らしいが、原作の映像化が不可能っていうのはやっぱり映像向きの話ではないってことなんじゃないだろうか。救命ボートの上での虎とのサバイバル。ミーアキャットの島。やはり映画としては盛り上がらない。もう一つの真実もこの映画に必要なものだったのだろうか?とも思う。深読みしなければ宗教の神秘が浮かび上がってこないってだけじゃあだめだ。映画表現そのものに宗教の神秘を体感するほどのマジックがなければやっぱり感動できない。個性的なストーリーだけどアン・リー監督の演出はそれほど個性的でもないし、まあ大作だから個性的に作ってたらヒットしないだろうし、シャラマン監督が撮る予定だったそうだけど、そっちのほうがやっぱり見たかっただろうか。
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