きっとここが帰る場所 85点

きっと ここが帰る場所 [DVD]

これはとてもいい映画だ。思ってたのとだいぶ違った。まずショーンペンはオカマではなく年老いたロッカー。スターだった当時のまんま化粧してて大人になりきれない大人。父危篤の知らせに何十年も帰ってないニューヨークの実家に向かう。彼の家系はユダヤ人で収容所にいた父はナチスの残党を探していた。その志を受け継ごうと車で旅に出る。そして彼自身の心も徐々に変化していく。アメリカの荒野を行くロードムービーでもあるのだが監督はイタリア人のパオロ・ソレンティーノ。「パリ、テキサス」や「バグダットカフェ」みたいなアメリカが舞台のヨーロッパ映画だ。こういうは大好きだ。

実際にパリ、テキサスの俳優も出てきます。

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映像がとてもいい。シャープだ。アートっぽくもある。ときどき「ん?」と思わせるシーンからカメラが引いて行くと「そういうことなのかー」みたいな、そんなセンスがすごくいい。デビッドバーンのライブシーンの仕掛けもユニークだ。話の伏線の仕込み方もさりげないし、演出がかなり達者な監督だ。コーエン兄弟みたいなテクニシャンだね。説明が必要最低限で大人っぽい映画でもある。全体的に寂しい感じがあるがコメディーでもある。風変わりだけどほのぼのしてて、なんか動物もよく出てくる。あるシーンで唐突に白鳥がでてくる。なんか意味あるの?って思ったんだけど、その前のシーンで名前を呼んでいたのは、あれ白鳥のことだったのか、みたいな。なんかちょっとヘンなものをスっといれてくるのがうまい。

それでいていろいろ辛いものが背景にある。ナチへの復讐、自殺したファン、失踪した兄。そういうものも抱えているんだけど、悲惨な感じにはならない。さらっと描く。でも深い。認知症?の母親だろうか。息子が家出したようだ。電話がかかってくる。瞬間的に受話器を取る母親。電話はずっと彼女の膝の上にあったことがわかる。これでいかに彼女が息子の帰還を願い続けているのかがわかる。

しかしやっぱりラストがなあ。なんかよくわからない。??ってなった。このラストがもっとしっくりくるものだったら90点だったのだが。深い意味があるというよりちょっと脚本の説明不足なんじゃないだろうか?いろいろカットされてるのかな。帰ってこないトニーと主人公はどういう関係なんだろう。その母親との関係は?このへんがもうすこし説明がほしかったところだ。
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