LIFE 85点

雄大な景色のなかをスケボーで疾走する予告編で凄く面白そう!って思ってたんだけど、監督がコメディ俳優っていうイメージのベン・スティラーだし「トロピックサンダー」とか面白くなかったし、どんなかねえ、と見るの躊躇してましたが、これがまた凄いよかったです。予告編よりも面白かった。映像、全編に渡って凄くいいし、色味だけでなく構図もかっこいいし、グラフィカルなシーンもいろいろ。こんなセンスのいい映画とれる人だったの!?この方は才能あるんだなねえ。

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雑誌「LIFE」のネガ管理部という地味な職場で働く平凡な主人公(ベン・スティラー)いまひとつ行動できないかわりに妄想が凄い。想像の中で犬を救助するシーンとか嫌な上司とのバトルシーンが本格的なアクションになってて迫力あります。好きな女性の前に探検家になって現れるとこも最高。ポエムファルコンとか現実離れしたかっこよさに爆笑。

ストーリーで心配してたのはこういう妄想ばっかりが並列的に積み重なってマンネリになっていくんじゃないかってことだったんだけど、途中からは本当に冒険の旅に踏み出すんだよね。写真のネガを取りに伝説のカメラマンの後を追う。グリーンランドやアイスランド、ヒマラヤへ。ワイルドな大自然にはいっていくとこが映像的に凄く新鮮だった。「LIFE」っていうタイトルだけど絵的には「ナショナルジオグラフィック」のようにスケールがでかい。そういう非日常な凄い場所で、急に携帯に電話がかかってくるとことか。世界の果てまで来たのになじみのケーキ屋があるとか。日常と非日常の組み合わせがうまい。

自分の殻を破って踏み出そうっていうのがテーマんなだけど、それを後押しするシーンがどれもいいねえ。ヘリに飛び乗るところでは妄想の中の彼女が歌う。打ち上げを待つ宇宙飛行士の歌だろうか。「トム少佐」っていうデビッドボウイの曲。ここが静かな感動でジワジワーといいんですよ。

ショーンペン演じる写真家のカリスマっぷりがもの凄い。今だにフィルムでしか撮らない。基本的に連絡がつかない。送られてくるネガには血がついている。火山のシーンではじめて遠目に登場するシーンがもう最高すぎる。シチュエーションがあまりに凄すぎて爆笑!男の中の男すぎるだろ。

これは「平凡な主人公」が「凄い男」の後を追うっていう映画でもある。わずかな手がかりをもとに足跡をたどる。「25番のネガ」には何が写っているのかを最後までひっぱる。基本的にはミステリー映画だ。今までにないタイプの映画になってるんだけどストーリーの骨格はちゃんと王道なので面白さに安定感がある。そして冒険の旅にとことん行きっぱなしではなくていったん家に戻るんだよね。あれ?って思ったけど、そこで母親をうまいことからめてくることで、しっかり地に足の着いた物語にもなってるんだよねえ。いい脚本だよ。

ベン・スティラーの吹き替えがなんと「ナイナイ岡村」さんでした。ありえない。映画の世界にひたってるのに関西弁かまされると急に自宅でテレビみている自分にひきもどされてしまう。これは吹き替えの黒歴史にのこりますねえ。ネットで見たので字幕版にすればよかったと後悔。話題作りの為に有名人を使う気持ちもわかるけど、せめてプロの俳優さんを使ってほしいよね。まじめに頑張った岡村さんは悪くないですが、超一流の声優さん達との技術の差はいかんともしがたいです。
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