テンペスト(上) 読みました〜面白いね〜

池上永一さんの「テンペスト」読みました〜。今や文庫本化されキヨスクにも売っているというベストセラー。そして仲間由紀恵さんで舞台化。恐らく映画化、ドラマ化もされるでしょう。 池上さんは以前に「パガージマヌパナス」と「風車」を読んだことがあって、そのハチャメチャな面白さにすっかりとりこになっていたんだけど、今回のテンペストは琉球王朝が舞台ということで、ちょっと不安に思ってたんだよね。 だって沖縄の歴史もので話が盛り上がるとは思えない。過去にNHK大河ドラマであった「琉球の風」もあまり印象に残る作品じゃなかったし、マンガ「花の慶次」でも琉球の章というのがあったんだけど、それも特に面白いとまではいかなかった。琉球王朝は題材としてエンターティメントには向かない。そう思ってました。はい。 そこで読んだ感想。メチャメチャ面白い! これは凄い。やっぱりこの人は天才だ。 今まで歴史の中の遠い世界で、教科書的な存在でしかなかった、琉球王朝が生身の迫力でせまってきます。しかもジェットコースタームービーのごとく展開が速いです。そして雄大で絢爛豪華。それからなんといってもキャラが最高です。敵役がなんと「聞得大君(きこえおおきみ)」なんですよ。「聞得大君」といえば「斎場御嶽(セイファーウタキ)」なんかで王朝の神事を司っていた最高神女、みたいな。それがすごく支配欲が強く残虐な正確で、霊力も強いという最強の悪役で登場。こんな設定、ほんと想定外です。 主人公は天才的な頭脳をもった少女「真鶴」。男「寧温」と偽って、難関の試験を突破して、首里城に役人として勤務するのです。美貌と才能をもったスーパーマン的な人物なんだけど、政府の役人が主人公というのは地味すぎやしないか? いやいやこれがとてもサスペンス満載なんです。幕末の琉球は薩摩と清との2重外交の時代。こちらのメンツもたてて、あちらにも損させず、琉球の主張も通していくというような、綱渡りの外交政策。それに加えて西洋の船もやってくるし、王宮で起こる勢力争い。こうした難題の数々に翻弄され、のりこえて生きていく「寧温」。 そして女である「真鶴」の恋。相手は若い薩摩の武士という、この設定もさすがだな〜。 重厚な大河ドラマというのとはちょっと違って、歴史ファンタジーというか、娯楽性の強い、ダイナミックなマンガ的なノリです。しかし随所に出てくる外交文書の難解な「候文(そうろうぶん)」とか、そして登場人物の心情を綴る格調高い「琉歌」とか、これが、ちょっと素人では書くどころか理解するのも難しいというもので、こんなことまで、まとめあげて、ひとつのエンターティメントにしてしまう作者の力量が凄い。まったく新しい分野を開拓してしまったといってもいいのではないだろうか。これで琉球の歴史ものは俄然面白くなった! 龍馬伝をみていて、こんなに面白くて熱い物語が沖縄にもあればいいのにと思っていたのだけど、池上さんがやってくれました。これで私の育った首里もテンペストの舞台だといえるぞ。実家の鳥堀町は主人公を最初に育てた破天塾があった場所。小学校のころによくあそんだ龍潭池もでてくる。うれしいな〜。この本を読んだあとなら皆も首里の町を散策したくなるだろう。 ひとつ注意点ですが上巻の後半に一般読者がひいてしまうような展開があります。ここはさすがに映像化はされないでしょうけど。これはないほうがよかったんじゃないか〜。一つだけ不満です。 さて後半の「下 花風の巻」読もう〜。電車移動が楽しいです。
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