シン・ゴジラ 85点

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ゴジラの皮膚はゴーヤーのボツボツからできている!。庵野監督のリクエストから、ゴーヤーのボツボツから型を取ってそれをスキャンしたそうです。ビックリだ。

そんな面白情報を聞いた後で親近感を持ちながら本編を見たのだけど、このゴジラ怖いよ。なんかこの世のものでない感じがあったよね。やっぱりエヴァの使徒っぽい感じ。巨神兵っぽい感じ。あの世から人類を滅ぼしに来たみたいな異様さがありましたね。

特に最初に上陸してくるあいつ。もうなんなの?あの造形。ビックリしたよねえ。その時の俺のリアクションです。

「え?何、何、別のやつ?本物?ひょっとしてお祭り、ねぶた? ナマズ?何、何?」

そしてあの真ん丸目玉。よくああいう目玉にしたよね。ここ、この映画の中で一番思い切ったとこだと思います。さすがにあの目玉はないでしょ?と周りは止めなかったのだろうか。ちょっとかわいいじゃないですか。なんだかわからないけど、ちょっと可愛いかも感が、街をバキバキ破壊しながら上陸してくる。こいつが、えらく斬新で、ほんと怖い!津波のメタファだよね。容赦ない感もあるし。

ゴジラが成獣になるっても新鮮だったし、背中からハリネズミみたいなレーザー出すとことか、想定外の強さが人間側に圧倒的な差を見せつけ絶望に叩き込む。人智を超越した、よくわかんない怖さ。大メジャーなゴジラを素材に、思いっきり庵野カラーを注ぎこんで、新しい現代のゴジラを創造できたってことが素晴らしい。そして初代ゴジラの反核テーマを受け継ぎ、シン・ゴジラは原子炉の比喩。冷却やポンプ車は原発事故そのものだったし、最後は東京にそびえ立つ廃炉の原発だった。尻尾の骨はなんだったのだろうね。

正直CMは面白くなさそうだったし(ゴジラ動かないなあみたいな)ギャレス監督のゴジラもなかなかよかったので、あれと比べられるのも可哀想だなあーと思っていたのに、それを超えてくるとは。日本映画界の快挙ではないだろうか。アイアム・ア・ヒーローも相当面白かったので、なんだか日本映画界、きてるんじゃないだろうか。これから、このレベルの作品がドンドン作られそうな気がする。CGが本当良かったよね。こんなにリアルなものが作れるようになった。

日本のグレーな風景と電線の上をゴジラが動いていくシーン。自衛隊との戦い。報道ヘリから見たような空撮。ロングショット。このリアルさ。巨大さ。まさに見たことのない映像体験だった。動きをゆっくりにしたのも大正解。山が動いてくるような迫力だった。ここまでリアルに日本が破壊されるシーンが観れるとは。ハリウッド映画を見るアメリカ人の気持ちにようやくなれましたね。また初代ゴジラを見た当時の観客のショックも追体験できる。

この技術の発達で、十数億の制作費でハリウッド並の映画が作れるようになった。クリエイターの才能と個性が作品の良さに直結するようになったのかも。宮崎駿、YMO、大友克洋、世界レベルのクリエーターが活躍した、栄光の80年代のような黄金時代がまた来るのでは。

日本映画という枠を外しても、これほど個性的なエンタメ映画はなかなかない。ゴジラとの戦い&会議室という対比が他に類を見ない。会議シーンは、正直、面白いかって言われると、そうでもないけど、人間ドラマをバッサリ省いた思い切りの良さ。個人の葛藤の入る余地のない未曾有の大災害っていう感じが、東日本大震災を体験した日本ではリアリティを感じる。また米軍も闇夜に少し映るだけで、ちゃんとでてこない。それがまた、雲の上の、日本人が異議申し立てできない存在っていう感じになっててよかった。

音楽は全体的には暗めで、キリスト教的な怖さがあって、とてもよかったのだが、幾つかかなりダサいとこがあって、なんかハードロックみたいなギターが入るやつ。あれはエヴァの音楽なのかな?あと、伊福部昭のゴジラはいいのだけど、自衛隊マーチ?あれの使い方はイケてなかったなあ。サンプリング的な使い方はタランティーノ並みのセンスが欲しいところだ。

思想的には真ん中というか、アメリカ従属ではダメで日本は自分で守ろうよという感じに受け取ったけどね。左右どちら側からも批判は出なさそうなバランス。国会前のデモシーンが一瞬あるけど、こんな時にデモしやがってみたいな揶揄を感じつつ「ゴジラを倒せ」って言ってたので、あれ、安倍倒せ?みたいな入れ方だったのだろうか。
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