ラ・ラ・ランド 80点

面白かったねーー。ハッピーな映画ていう感じだけど、やや切ない系ですかね。カップルで見に行くにはちょうどいい感じじゃないですかー?映画ファンが見ても凄く面白いし。アカデミー作品賞とってほしいね。「レ・ミゼラブル」や「アーティスト」に続くミュージカル映画の傑作でありましたー

始まってすぐの高速道路の渋滞でのミュージカルシーン。いきなり面白いですよね。今までスタジオの中で作りこんだような凝った演出を、実際に、高速道路で撮影。しかも長回しのワンショット。往年のミュージカルが培った伝統を、フラッシュモブ的な市民参加みたいな親しみやすさと「トモロウワールド」や「バードマン」なんかの、長廻しで撮っていく超絶演出テクニック。これからのミュージカルに影響を与えるであろう素晴らしいシーンだった。

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デミアン・チャゼル監督はまだ32歳。前作の「セッション」も面白かったよね。ジャズドラマーとシゴキ鬼教官の対決をホラーサスペンスタッチで緊張感たっぷりに描いて斬新でした。それで、この「ララランド」ときたわけだから、まるでタランティーノが「レザボアドッグス」の後に「パルプフィクション」を撮ったような天才ぶりを発揮しているよね。

女優志望のエマ・ストーンとジャズピアニスト志望のライアン・ゴズリング。エマストーンはブサイクにも見えるし、可愛くも見えるという個性的なルックスだ。目も大きくて、とても魅力的な女優だ。ライアンゴズリングは「ドライブ」や傑作「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ」のクールだけどまったり感のイメージがあったので、ピアノ弾いたりタップを踏んだりが新鮮だった。

やりたくないバンドのキーボードの仕事。でもお金のために仕方がない。撮影でカメラマンから「唇を噛んで」「不機嫌そうに」って支持されるとこが、おかしくて笑ってしまった。しかも恋人が人生最大のチャレンジ&屈辱の最中の出来事だから、痛々しい。こういうエピソードがリアルだよね。彼らと同じように夢を追うアーティスト達は共感しまくりなんじゃないかな。

そういう二人が惹かれ合い、励まし合っていく姿は応援したくなる。実は恋愛ドラマとしては、お話だけみれば、あまり大したことはないのだけど、演出が天才すぎるのと、音楽やジャズへの深い畏敬の念、クラシックな映画、ミュージカルへのリスペクトで、深く共感して感動してしまいました。特に、本人だけにスポットライトが当たってスーーと周りが暗くなるところ。あれの使い方が抜群にうまいですね。

最後のシーン。二人が再会した時、脳内で再現される「もしも」の物語。これは賛否両論あるかもしれないけど、自分はほんと素晴らしい演出だと感動したよ。二人が子供を育てた思い出の8mmフィルムみたいなやつまで出てくるし。最後に本当の旦那と入れ替わって、お店に入ってきて、今のシーンに繋げる。すごいよね。そして現実を受け入れつつ、「私たちこれでよかったんだよね」ってなんとなくなる。脳内解決!チャゼル監督の映像クリエーターとしての才能は現在最高レベルだと思ったよ。

ただ、ちょっと不満なとこなんだけど、プラネタリウムのとこですよ。グリフィス天文台というLAの有名なデートスポットだそうです。星空の中を飛ぶんだから、何かもっとロマンティックな演出なりエピソードが入れられたんじゃないかな。「ムーランルージュ」のパリの空を飛ぶとことかに比べると、ちょっと物足りないし、2人にとっても大事なとこなんで中盤のクライマックス的な感じでもっと激しく盛り上げて欲しかったとこですね。

そういうとこを差し引いての80点でしたが、人によっては人生最高の作品っていう人がいてもおかしくないような、素晴らしい映画でしたね。チャゼル監督は次作もすごい傑作をとりそうだなあ。
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