君の名は 80点

面白いねえ〜。正直、アニメチックな画風が苦手で敬遠してたし、前半の30分くらいは、割と普通のラブコメっぽいんであまり面白くなかったのだが、彗星がいよいよ登場して、糸守町を探すあたりから俄然面白くなる。

「新海誠」監督。ポスト宮崎駿。素晴らしい才能ですね。ストーリーが面白いのと、また演出と脚本がいい。脚本もご本人だし、ノベライズも書いている。男女入れ替わりのタイムリープものに天変地異が関わってくるというキャッチーなストーリーだけど、これをそのままストレートに描くと陳腐なものにしかならないんだよ。それをここまで奥深く、ミステリアスに詩情豊かに、そして311の想いも込めて、こういう作品にできたのが素晴らしいです。

日本を舞台に、日本的な要素で作られてるよね。糸守町の自然の美しさ、組紐に象徴される運命や命の連なり。恋人同士の運命の赤い糸。黄昏時のあの世とこの世。特に面白かったのが口噛み酒。口でお米を噛んで発酵させる。これを神聖なものとして描いたアイディアが素晴らしい。「巫女の口噛み酒ー」なんていうギャグも入れる余裕もあるし。

都会の方も綺麗だったね。シャープ感、スピード感、スマホ感とでもいうような今風な感覚。広角レンズ、手前や背景がぼけた一眼レンズ風だったり。CMで見るようなクオリティの高い映像がアニメで再現されてました。都会に降る雪も今までで最高の美しさだ。

(ところでCMといえば新海誠は大成建設のCMもやっている。改めて見てみたが、彼の作風そのものでクオリティーが高い美しいCMだ。ただ、大成建設は辺野古埋め立てを行う企業でもあり、沖縄県民の心を切り裂くような工事は許し難いのです。監督には関係ないか、、、、)

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新宿、新大久保あたりの電車が近づいてくるとこ。あそこは俺もそう思ってたよ。たまに同じような速度で走ってる電車が近づいてきてドア付近に乗ってる人がグーーーっとクローズアップされてきて「うわー運命の人っぽい」って思ってたんだよね。あれをよくネタとして入れ込んだなあ。いいアイディアがたくさん入った映画です。

薄れる記憶を辿るミステリーもうまい。ミツハがタキに会いに来ていたっていうところを思い出すところとかいいですよね。ここも満員電車の中っていう当たり前の設定でよくこういうドラマチックなシーンにできたよなあー。

また、村の人々を避難させる。ここの演出も凄く上手く出来てますね。こういう、作戦立てて「よっしゃー」みたいな流れって、普通にやったら、つまらない感じにしかならないんだよね。そこをありきたりな感じにしない。後日談的な感じでニュース映像や新聞記事なんかで表現してました。大人の演出。

岩穴に刻まれた彗星の絵。もともとここは隕石が落ちた場所で、その土地で代々受け継がれる巫女の系譜。入れ替わり能力も彗星と関係あるようだし、ミツハは村を救う使命を託されていたのかもしれない。それと組紐のように呼応するタキの見る幻覚は色鉛筆アニメーションのような独特なもので、素晴らしい映像表現になっていたねえ。

大ヒットしたせいか、ずいぶん批判も多いんですね。批判のほとんどは突っ込みどころをほじくり出すようなどうでもいいものばかりだった。好き嫌いは別にしてもこれは素晴らしい作品で監督の才能は疑う余地もない。

ただ、建設的な批判というか、欲を言えば、「動き」の繋がりで物語を語るようなとこがもっと欲しかった。風景にモノローグみたいなのが得意だから仕方がないけど。例えば天空の城ラピュタの「シータを奪還する」シーケンスとか。マッドマック怒りのデスロードとか全編そうだけど。セリフがなくても成り立つ、動きで物語りを進めていく、そういう動く映像の快感があまりなかったですね。次回作では是非そういうところあると最高なのだが。期待してます。次回作で完全に宮崎駿と並ぶ大傑作を作ってしまいそうだ



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