三線で参加「歩き続けろ」大袈裟太郎PV

大袈裟太郎というラッパーがいます。沖縄に住んで1年半。高江や、辺野古、オスプレイやヘリの墜落現場に真っ先に駆けつけ、ネットで発信し続けている男です。休むことを知らない、自分の健康を削りながら最前線にたち続けています。アイコンの写真からひょうきんなイメージもあるかもしれないですが、実際に会えばミュージシャンとかラッパーとかそういう雰囲気を持った男です。メルマガも購読していますが、彼の文章が感動的で素晴らしいんだよね。常に弱者側の立ち位置で権力に反発する姿勢は尊敬しています。

沖縄に移住した方の中には何年たっても沖縄に染まらず言葉も全然沖縄っぽくなってない方がいます。それはやっぱり沖縄に移住しちゃうくらいですから、人生積極的な、自分から動く能動的な方なのだと思います。能動的な方はやっぱり受動的な力、相手に染まるとか、相手に合わせるとか、そういうところが弱いのだと思います。沖縄人の自分は少し寂しいなと感じるところです。

その点、大袈裟太郎は、レゲエの挨拶「ヤーマン」を沖縄のヤドカリっていう言葉「アーマン」に置き換えたり。「ざまあみろ」を「ユーシッタイ!」っていうんだけど、その感覚が最近わかってきましたーとか、沖縄の言葉、雰囲気、ニュアンスみたいなものをどんどん吸収してて、受信力も発信力も両方もっている男なのです。

そしてたった1年半の間に沖縄の基地問題の現実を猛スピードで吸収。新鮮な目を失わずに問題の深いところ本質を分かりやすく表現出来る希有な男です。ジャーナリストや学者とも違うので、なんだか、ラッパーなのに映画評論が凄い「宇多丸」さんみたいな存在です。沖縄問題を易しく解説できるのは池上彰さんのようです。



その大袈裟の1年半が凝縮した楽曲がついに完成。
「歩き続けろ」
この言葉から連想するのは、沖縄のガンジーと言われた阿波根昌鴻(あはごんしょうこう)さんの乞食行進です。米軍に無残に土地を奪われた伊江島の窮状を訴えるため那覇まで乞食をしながら歩いて行った。それが全県を巻き込んだ島ぐるみ運動につながっていくのです。いっこうに解決しない基地問題。諦めずにとにかく運動を続ける。歩き続けるっていう気持ちも見えます。

彼が歩いているイエローラインは米軍基地との境界です。座り込み運動はこの外側で行われます。ラインを超えたら逮捕される口実を与えてしまうのです。沖縄弾圧とも言える機動隊の圧力に沖縄県民は非暴力で抵抗していくっていうギリギリせめぎ合いがあります。イエローラインを上を歩く彼にそんな気持ちも感じました。(後ろに見える警備はアルソックで機動隊ではありません。)

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バックトラックはベーシストでもある池田さん。跳ねるような跳ねないような、独特の中間のビートで、楽曲の温度を上げずに不思議な浮遊感を出しています。まるでイエローラインのように宙に浮いた楽曲。コード進行は坂本龍一のようにファンタジックで美しいです。

マッシーも三線と二胡で参加しました。なかなか効果的に使ってもらってありがたいです。テケテケとディレイがかかるようなところは掛音で実際に弾いています。二胡のパートは女性の声でやるアイディアもあったのですが声が二つ重なってしまうのがあまりいい効果でなかったので二胡で表現しました。うまい具合に溶け合ってますね。

ケイキさんの映像がいいですね。このキャンプシュワーブのゲート前がこんな風に映画の中みたいな感じになるんですね。ここに通った方は見慣れた光景なだけに驚いたと思います。そして、一番最後の最後のショット。なんとヤンバルの平和な水辺。このショットにどれほどの願いが込められているのか。本来の沖縄。本来の自然。この最後のシーンに涙が止まりませんでした。

「ウチナー、ナイチャー、シマナイチャー
誰も 泣いちゃー ならんドー」
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