イングロリアス・バスターズ 90点

イングロリアス・バスターズ [Blu-ray]

時代はナチス占領下のフランス。過去に一家を皆殺しにされたユダヤ人女性「ショシャナ」はパリで映画館を経営していた。そしてフランスに潜伏しているユダヤ系アメリカ人の特殊部隊「バスターズ」は残忍な手口でナチスを血祭りにあげることで恐れられていた。そんな中「ショシャナ」の映画館でナチスのプロバカンダ映画の上映会が行われることに。ナチス高官やヒトラーまでもが勢揃いする絶好のチャンスに『ショシャナ」の復讐と「バスターズ」の暗殺計画が幕を切る

DVDのジャケを見てみるとね、ブラッドピッド主演の戦争アクション映画という感じだよね。これが、なんと戦闘シーンがない!そしてブラピはほとんど活躍しなーい!エエ〜〜と思うでしょ。でも、これが面白いわけさあ〜。タランティーノ最高傑作というだけのことはあるよ。何が良かったのかーというと、会話の緊張感。これが尋常じゃないんだよねえ。冒頭、ユダヤハンターの異名をとるナチスの「ランダ大佐」。ユダヤ人を匿っていると見て、ある家を調べにやってくるんですが、この人は洞察力が鋭くて、どんな小さなことも決して見逃さないんだよね。最初は温和で善人な物腰なんだけど、そのうち相手をジワジワーと心理的に追いつめていくわけさ〜。これが恐いんだよね〜。ただテーブルに座って喋っているだけのシーンなのにね。万年筆にインクを入れたり、パイプを吸ったりの動作もなにかが起こりそうで、緊張の連続なんだよね。やはりタランティーノ監督の脚本、演出がすばらしいんだろうね〜。

おしゃべりが長々と続くというのは彼の映画の特徴さーねー。その会話が本筋とまったく関係なかったり、無駄に長かったりというのが得意技なんだけど、今回は、ドイツ語、英語、フランス語を駆使しながら、会話がサスペンスの大事な要素になっているわけよ。中盤の大きな見せ場。酒場での密会シーン。イギリス人のスパイがドイツ人将校と偽って潜り込むんですが、言葉のアクセントから正体がバレそうになるんですね。なんとか誤摩化そうとするんだけど、相手も切れ者で、ゲームをしたりお酒を進めたりしながらさいろいろ探りをいれてくるわけよ。そして一色触発、即、修羅場!なのよ。手に汗握る迫力の場面だった。

大筋はユダヤ人のヒロインがナチスに復讐するというタランティーノ映画では馴染みの「美女復讐もの」なのですが従来の時系列を入れ替えるようなトリッキーな演出はなく、オーソドックスな映画といいますか、なんだか巨匠が撮ったような古典的な雰囲気で、ヨーロッパ映画さながらの落ち着いた色調がタランティーノの個性と融合しているのが、すごく新鮮だったさ〜。そしてキャラクターの描写はあいかわらず素晴らしいね〜。軍服を着ると同じように見えてしまう兵士も一人一人の個性をしっかり描いているし、ヒロイン「ショシャナ」はあんまり多くを語らないことによって、復讐の女神となっていました。アカデミー助演男優賞も取った「ランダ大佐」はとにかく強烈です。善人顔でユーモアも交えながら、いっさいスキがない恐ろしいハンター。対するブラピはタフガイなのか間抜けなのかよくわからないヘンテコな役。ランダ大佐ほどの頭のいい男と戦うには、このくらい常識の通用しないキャラがよかったのかもね。とにかく、こういう面白くて斬新な作品を見ると映画の可能性ってまだまだ無限なんだなとうれしくなってくるよね。※タランティーノ映画にしてはグロ度は低めですが
頭の皮を剥ぐ、バットで殴り殺す、などいくつかありますのでご注意を

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